これからの展示日程 

 

6月13日(木)〜 23(日) 渡邊 文也

作家在廊予定の初日の入場は、予約制とさせていただきます。

正午オープンより1時間の入れ替え制にてご案内いたします。

ご予約はemailかInstagram DMにてよろしくお願いいたします。皆様のお越しをお待ちしております。

①12:00-13:00 

②13:00-14:00 

③14:00-15:00 

④15:00-16:00

⑤16:00-17:00

⑥17:00-18:00

18:00-19:00

 

 


 

 

 

このたび msb gallery では、西谷直子の個展『Line Lands』を開催いたします。

 

点と点がつながって線となり、線により豊かな想像力は広がってゆく。

西谷は幼少期の体験や感覚を大切にして、さまざまな動植物が並列される独自の世界観を表現しています。

 

本展では、『レンマ』という概念を足がかりに、三角形のキャンバスに描かれた一片の記憶が、どこからでもどこへでも繋がることのできるような摩訶不思議な作品展開を試みています。

 

夢の中か、鏡の中の世界なのか?おとぎ話のなかに紛れ込んで変幻自在な作品群をお楽しみいただければ嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

西谷 直子 

 

都立芸術高校を経て、武蔵野美術大学短期大学部生活デザイン学科専攻科卒業

 

展覧会歴

1994  ガーディアンガーデン『3.3m3展』グランプリ

     初個展『壁沿いの路』ピンポイントギャラリー

1995  個展『眠る人々』ガーディアンガーデン

1997  個展『自然住宅』ギャラリ−412

1998  個展『AtoZ』グレード1ギャラリー

2008  個展『コドモノ惑星』ピンポイントギャラリー

2016  個展『ツチ ミズ クウキ展』ヨロコビtoギャラリー

2018  個展『house?』ヨロコビtoギャラリー

2020  個展『incontrate』DORADO GALLERY

          個展『Line Land』ヨロコビtoギャラリー

2021  個展『行き交う惑星』ヨロコビtoギャラリー

2023  個展『鳥獣遊泳』ヨロコビtoギャラリー

       多摩美術家協会展51 パルテノン多摩

         企画展 Over The Rainbow ギャラリーニジリス

         企画展 30✖️30 -LOVE&PEACE- gallery cafe jalona

 

その他 青梅『繭蔵』小さなギャラリー2020~

グループ展参加多数

 

 

 

 

 

 

アーティストステートメント

 

何か感じたものを点にして

その点と点を結ぶと「線」が現れる

 

私たちが実際目にし手に触れるものには輪郭はあるが、線は存在しない けれど輪郭を線に置き換えた途端、カタチは意味を持ち共通言語ともなり得る。 

線が生むイメージは、文字による言葉や写真や画像ほど明確ではない、 でもそれだけに、受け取り方と想像力で無限に広がる可能性を秘める・・

それは、言葉や、写真や画像にはない、線だけの魅力ではないでしょうか。

 

私の父は、遠洋貨物船の通信士だったため、私が中学に上がる頃まで年に数週間の長期休暇以外ほとんど家にはおらず、当時は通信手段も僅かで時々届くエアメールが父との貴重な接点でした。 筆まめではなかった父から母に宛てた短い手紙の文面から想像を膨らませ、膨らませしているうちに、いつしか遠い海の彼方を巨大な船で移動している父のイメージは頭の中に生まれたボトルシップとなり、、、想像を掻き立ててもくれましたが、ボトルシップから生まれる想像はやはりガラス越しの手触り。ある時、ドッグ(船の点検のための寄港)の父に会いに因島に行き、そこで 見た海の色、波の感触が私にとっての初めての『海』となり、瀬戸内海の小さな島の洞窟探検で 遭遇したイソギンチャクとの出会いが『もう一つの世界』の入り口となり 点と点が繋がり線となった原体験のように思います。

 

今、人間の手を離れたAIの技術で高度なリアリティを得られ、あらゆる想像が本当に可能となる のだろうか、リアリティの本質とは何なんだろう、、芸術はどこへ向かうのか? ととりとめなく自分に問いかけていた時 中沢新一氏の講義をたまたま視聴し、古代ギリシャ人の考えていた知的作用『ロゴス』と『レンマ』、その『レンマ』に大変興味を惹かれました。

因果と時間軸で物事を論理的に理解する脳の働きは『ロゴス』の働きと非常に近く、一方『レンマ』 とは眼前にあるもの丸ごと全体を把握する心の働き、なのだそうです。レンマとは、顕在化してい ないものも含むあらゆるものが繋がっていることになるような思想・・・私には語彙力も知識も乏しいのでここでうまく説明することはできませんが、子供の頃からずっとあらゆるいのち(昆虫も動物も人も)は全て等しいという感覚、遠い陸地と今足元にある陸地は海で繋がり、陸(土中)にも海(海中)にも無限の得体の知れないイキモノがワンサカ生きている、という感覚があ りました。特定の宗教的概念や観念と遠く離れたところで、プカプカと波打ち際で遊ぶようにヒトとその他の動植物との類似性を見つけては楽しんでいる私にとって、古代ギリシャ人の『レンマ』の概念が響きました。勝手ながらとてつもなく重大なヒントをもらったような。 因果に縛られることなく、現実を知り、踏まえて、 『土の中、水の中の無限の命と共に、未来を夢見る』 拙いながら、そんな今を感じられる展示を目指したいと思います。

 

今回、改めまして貴重な展示の機会をいただき心より感謝いたします。

 

 

 

西谷直子

 

 

 

 

 


 

 

 

このたび msb gallery では、三浦康太郎の個展『銅版画展』を開催いたします。

 

点と点が繋がり星座を描くように、普遍的な星空の青い世界に想いをのせて、時間をかけて銅板に刻みました。

 

新たな技と表現を試みた新作をぜひこの機会にお愉しみいただければ嬉しく思います

 

 

 

 

 

三浦康太郎 

1986年生まれ

15歳の時に油絵に出会い、洋画家 水島健氏に師事。

レンブラントの緻密なエッチングに魅せられて、 2011年より銅版画を始め、摺り師の白井四子男氏に師事。

2012 年よりテンペラ画を始め、制作発表を続けています。

星々の光や星座、ものがたりにインスパイアされた独特な神秘が表現されています。

現在、制作の傍ら、横浜日ノ出町にて大人や子供向けアート教室を主催しています。

 

主な展覧会歴

2023 個展「銅版画展」 msb gallery, 東京

2022 三浦康太郎/奥田拓郎二人展「Folklore」 Studio HOTDOG, 東京

2021 三浦康太郎/奥田拓郎二人展「星語りの森で」, 東京

2018 個展 ゆう画廊, 東京(2015, 2014)

2017 個展 8(eight), 東京

 

 

 

 

 

 

ステートメント

 

 

星空は昔から人の想像の源となり古今東西多くの伝承、伝説を紡いできました。

それは、人の及ばない世界であり、好奇心や畏怖にも似た感情です。

 

あの空の向こうはどうなっているのだろう?あの光は何を燃やせばあんなに輝くのだろう?

空を仰ぐ時、きっと古の人々の感情が今もそこにあり、それははるかなる更新だと思うのです。

星はそんな普遍的な思いを紡いでいく存在ではないでしょうか。

光の点と点が繋がり星座を描くように。

 

昨今、情報や物が溢れ息苦しい日常の中で、空は何千年と変わらずそこにあり、それは僕自身の想像の原点です。

遠く手の届かない場所、しかしそれは無限の可能性と遊び心溢れる青い世界です。そんな思いを作品にしました。

 

 

三浦康太郎

 

 

 

  

 

 

 


 

 

 

このたび msb gallery では、サカイケイタの個展『曖昧を見る』を開催いたします。

 

サカイは”ヒューマンエラー”を手がかりに、認知やその原理について関心を持ち、制作しています。

作品に頻出する視覚に訴えるような反復と記号性は一見、ミニマル/オプ・アートの系譜にあるように見えますが、その源流はディスレクシア(読字障害)であるサカイの個人的な経験——識字に関するエラー(文字が模様に見える)や、独特の認知(言語をベースとした場合の認識のズレ)にあります。

作品の中に潜んでいるエラーがエラーを呼び、時に突然迷子になったような心細さを覚え、また時に”言葉遊び”をするような軽やかさと明るさで、鑑賞者を誤認の迷宮に誘い込みます。

 

サカイの作品は、視覚の世界を通して本当は見えていないことを知るための装置であり、ポップでデザイン性の強い見た目とは裏腹に、「見る/見えている」「理解する/知っている」とは一体どういうことか?と、根源的な問いを投げかけているように思えてなりません。

 

本展では、LINE Seriesより新作を展示いたします。

 

視覚を通して実際に体感されるサカイの試みをこの機会にぜひお楽しみいただければ嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

サカイケイタ

 

1997年 東京都生まれ

武蔵野美術大学大学院 造形研究科 美術専攻彫刻コース 修了

 

ディスレクシア(読み書き困難)による知覚の特性を出発点として、識字に関する「認識のズレ」をテーマに彫刻を制作している。

日常の些細な行為を作品に織り込み、認識の曖昧さ(ヒューマンエラー)を考察しながら活動を行う。

 

 

 

受賞

2023    Watowa Art Award 2023 準グランプリ・鬼頭健吾賞受賞

            神戸アートマルシェ2023 入選

2022    Watowa Art Award 2022 入選

2021    群馬青年ビエンナーレ 2021 入選

2020    公益財団法人クマ財団クリエイター奨学金第4期奨学生

2019    CAF賞最優秀賞受賞

 

 

主な個展

2022   「PLAY-Patapata Nurinuri」A.R.C生活空間, 中国

2021   「codecode」KITTE marunouchi 4F, 東京 

2020   Underline-生活の記号と関わる」8/CUBECOURT, 東京

 

 

 

 

 

 

ステートメント

 

 

LINE Seriesは都市に溢れる記号(道路標識やサイン)から着想を得た作品群です。

 

記号は情報を伝達する役割を持っています。記号から特徴的な色や柄を抽出しただただ反復させることによって、記号は本来持っている役割から解放されたかのように見えます。機能を失った記号はもはや記号ではなく、模様(パターン)であるにも関わらず、私たちはその単なる色や柄の集まりからあるはずのない信号を感知し、まるで何かを指図されているような不思議な感覚に襲われます。囚われていたのは私たちの方だったのか——? 日々の制作でサインや標識をパターン化する中で、人間の認知がいかに曖昧であり、個が捉える世界に偏りがあるのかについて考えさせられます。

 

本展ではLINE Seriesの新作を展示いたします。新作には色や模様がほぼありません。特徴を失い、記号だったはずの物が物そのものの状態に戻った時、認知の対象から外れただそこに在るだけの姿に戻った時、これといって見るものがなくなった状態でそれでもなお見えてくるものを見てみたくなりました。見ようとして焦点を合わせると途端に見えなくなってしまう、何か。見られることから解放された作品から浮かび上がるのは、自分の視線が作品を通り抜け地球を一周して背後から帰って来るような、認知の世界の曖昧さです。

「あなた」と「わたし」の間にもたらされる認知の境界は常に揺らぎ、内なる他者のまなざしにより不確実性は強調されるでしょう。

 

新作が引き起こす小さなエラーを、旧作とともにお楽しみいただけると幸いです。

 

 

 

 

サカイケイタ

 

 

 

 


 

 

 

このたび msb gallery では、中島綾美の個展『汀線の記録』を開催いたします。

 

中島は岩絵具を用いて、不可思議な自然物を想起させる独創的なモチーフを緻密に繊細に表現しています。夢と現を往来する如く、懐かしい記憶を辿るような感覚を覚えます。

 

本展では、意識と無意識の交感を通じて、自己の日常のなかに見出される、ある一片の事象を描写した作品群を発表いたします。

 

詩的な世界観をこの機会にぜひお楽しみいただければ嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

中島 綾美

 

2017    武蔵野美術大学 日本画学科 卒業

 

 

主な展示

2023    親子展 「庭を織る」柴田悦子画廊, 銀座

            三人展 「であい」gallery field, 江戸川橋
2022    時計荘 selection Christmas market ミネラルホリック!Vol.4, 三省堂書店池袋本店

            個展「名辞の檻」アスタルテ書房, 京都
            個展「無意識の晶洞」gallery hydrangea, 曳舟
            武蔵野美術大学卒業生グループ展 「I’m here.」あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 unpel gallery, 日本橋
2021    個展「渚の魔物たち」 柴田悦子画廊, 銀座

            グループ展「絵、纏う」 数寄和ギャラリー, 西荻窪
2020    個展「天使の輪郭」gallery hydrangea, 曳舟

            郷さくら美術館桜花賞 出展 郷さくら美術館, 目黒
2019    ホリデーコレクション展 蔦屋書店, 代官山

          個展「映し鏡の森」八犬堂ギャラリー池尻大橋   
2018    個展「水脈」柴田悦子画廊銀座
            


掲載

2021    月刊美術7月号 個展100字評

            美術の窓 5月号

2020    ExtrART file.26

2019    月刊ギャラリー インタビュー記事 vol.6 月刊美術 8月号 

 

 

 

 

 

ステートメント

 

 

小さな湾の波打ち際に 朝顔の花弁が打ち上げられていた

ガーゼのハンカチにくるむと真珠層のように色素が滲み出る

 

いつかの遠雷が聴こえたような気がして 足元から顔を上げると

脈絡もない漂流物が点々と横たわっていた

 

その奥には西陽に縁取られた釣り人の姿

潮風に乗り 鳶がしずかに弧を描く

 

無意識の淵から吐きだされたものをただ書き留める

いつまで経っても貴方に辿り着かない

 

私は汀線を漂泊する行き場の無い意識のひとつである

 

 

 

 

中島綾美

 

 

 

 


 

 

 

 

 

このたび msb gallery では、kopfkino 五十嵐 彩乃の空想植物標本展『白紙 weißes papier』を開催いたします。

 

kopfkinoは、1枚の白い紙と自然物を組み合わせて、空想の植物標本を制作。美しい植物の造形美を受け取り形にし、自然物から色を拾い上げ着彩しています。

 

初個展となる本展では、始まりとしてのまっさらな「白紙」に意識を向けて、白い鉱物や化石などを使用した作品を発表いたします。

 

どこにも属さないようで、常に隣に在るものに依存している「白」に宿る物語性を、見る方々の想像により色づけて、お楽しみいただければ嬉しく思います。

 

 

 

 

 

 

kopfkino  五十嵐 彩乃

 

1987 東京生まれ

2010 東京造形大学デザイン学科室内建築専攻 卒業

 

大学卒業後、舞台美術や映像美術・装飾として多くの作品に携わり、少しずつ温めていた世界観を具現化させるため、2020年より作家活動を開始。

kopfkino (ドイツ語で「空想」の意味)として、植物や自然現象、空想の欠片をモチーフに、紙や鉱物を使用した空想植物の標本作品を制作。

 

【主な活動】

2023  「もしも博物展」ウサギノネドコ京都店, 京都

          「宝石商のキャラバン」キロプテル雑貨店, 大阪

          「夜の博物館」ギニョール, 大阪

          「雨の日の楽しみ方」ranbu, 大阪

         SICF24出展  スパイラルホール, 東京

2022 トンボ鉛筆×minne FAN ART STUDIO 5月6月掲載

2017 グループ展「touch」SMART SHIP GALLERY, 東京

 

 

 

 

 ※ 作家在廊予定日:

1/25(木) 12:00-16:00

1/27(土 )13:00-16:00

1/28() 17:00-19:00

1/31() 12:00-16:00

2/3()   12:00-16:00

2/4()   12:00-17:00

 

 

 

 

 

 

 

ステートメント

 

 

現代の時間の流れの速さにより、生活で必要に迫られた想像ばかりになってしまっているような昨今。 

私が自分の作品に求めていることは、見る人に「空想」を楽しんでもらいたい。という、ただ一点です。

 

kopfkinoはドイツ語で直訳すると「頭の中の映画館」

つまり「空想」を意味する言葉になります。

 

自然の造形美に触れるとどんどんと空想が溢れ出します。

頭の中で芽生えた物語は現実と空想の境界を曖昧にし、

誰も知らない世界へと密やかに導いてくれます。

 

空想を具現化することで、そこに今在るものとして手に取ることができ、

そしてまた、その続きを他の誰かが想像することもできます。

 

今回の展示では「白」に焦点を当て展開します。

余白の多い「白」は、より自由に、よりリアルに色付けすることができます。

 

「白紙」から生まれる空想を、お楽しみ頂けますと幸いです。

 

 

 

 

五十嵐彩乃