このたび msb gallery では、山口牧子の個展「Rhythm of the Earth」を開催いたします。
麻紙ににイエローオーカー、ブルーなど色彩を施し、襞を寄せた背景に、麻スサを混ぜたホワイト(胡粉)、レッド、コバルトブルー、ターコイズブルーなどの絵具で有機的な形象を描いています。凹凸を持った支持体に絵具の粒子は滲んだり留まったりしながら像を結び、層を作り、また、近景と遠景を曖昧にし、その絵だけに存在する色彩空間となります。
Rhythm of the Earth (地表のリズム)では、音色、声、生き物の動き、水の流れ、波、感情など、人と自然の営みはリズムを持ち関係していると想像し、そのような世界を表現しています。
本展では20枚程の絵画を絵巻のように並べて展示いたします。色彩絵画の奏でる旋律と息吹をこの機会にぜひご鑑賞ください。
*作家在廊予定日:5/18(木), 20(土), 21(日), 26(金), 27(土), 28(日)
このたび msb gallery では、PAPER BRUTの個展「LIFE IS WONDERFUL」を開催いたします。
新潟を拠点に身の回りの植物や樹皮から、紙や造形物を作りだす。その作品の幅は広く、原料となる植物の栽培からデザインまでを手掛けています。
PAPER BRUTはフランス語で 「生(き)のままの紙」 を意味し、伝統的な技法からのオマージュ、植物の特性を生かした造形を生み出しています。
本展示では PAPER BRUT 自ら栽培した楮を加工し、紙にしたものにドローイングを施した作品が並びます。モチーフとなるのは彼らの暮らしの中の身近なものたち。
平面的でありながらも奥行きのあるパース、あたたかみのある線の表情など、生まれた作品は素朴でありながら、力強く、さまざまな心の動きをもたらします。
人の営みと自然が密接に関係しているように、時を同じくして育ち、生まれた作品は日常に溶け込むように馴染んでいく。
暮らしの中で目にするものの美しさや喜びをテーマにした展示、ぜひご鑑賞ください。
*作家在廊予定日:
4月26日(水) 12:00〜17:00
4月27日(木) 12:00〜17:00
このたび msb gallery では、青島綾音の個展「viewpoint」を開催いたします。
青島は、J.M.W.ターナーの光と色彩の表現に魅せられて、空間と時間、風景について考察しながら絵画を制作しています。線と色彩で織り成される層に、絵画空間と現実の風景を重ね、空気や時の流れを感受しうる表現を目指しています。
本展で発表される作品群では、近年、青島の関心としている視点ー自分の見ている景色の範囲や目線、目の動きーに意識を向け、焦点の合うところと合わないところを画面の中につくることで、光、風、温度などから瞬間的に感じられる印象や空気感を捉えることを試みています。
青島の表現風景をこの機会にぜひご高覧ください。
青島 綾音
1994年 神奈川県生まれ
2018年 多摩美術大学美術学部芸術学科 卒業
個展
2017 「一枚のドローイングから」gallery fu / 神奈川
2018 「landscape」gallery fu / 神奈川
2019 「a "MOMENT"」gallery fu / 神奈川
2022 「One Scene」ART & CAFE + BAR あ・い・う。/ 東京
グループ展
2014 「BAKER’S DOZEN MUSEUM」 TURNER GALLERY/ 東京
「BAKER’S DOZEN MUSEUM2」 TURNER GALLERY/ 東京
2018 「AHA 展」 JASMAC AOYAMA / 東京
2020 「gallery fu 7 周年記念展|七つの星」gallery fu / 神奈川
2021 「MOTHER」gallery fu / 神奈川
「多摩美術大学助手展2021」多摩美術大学八王子キャンパス アートテークギャラリー /東京
2022 「多摩美術大学助手展2022」多摩美術大学八王子キャンパス アートテークギャラリー /東京
「特別展|gift from….to….」gallery fu /神奈川
2023 「Preface II 2023-序章II-」GALLERY ART POINT / 東京
アーティストステートメント
空間と時間、風景について考えながら絵画を制作しています。
線と色彩で層をつくり、その重なりから生まれる絵画空間と現実の風景を重ね、
空気や時間の流れ、手前と奥行きを感じ取れるような表現、作品を目指しています。
近年の作品では、自分の見ている景色の範囲や目線、目の動きに意識を向け、
焦点の合うところと合わないところを画面の中につくることで、
瞬間的に感じた印象、風や温度、空気感をより捉えることができないか試行しています。
このたび msb gallery では、三浦康太郎の個展『銅版画展』を開催いたします。
「 100億年以上の時を経て、その光は地球に届くものもあると言う。
見えている光は過去であり、今生まれた光は未だ見ぬ未来。
星空は無限の物語の源。
そんな想いを銅板に刻みました。
是非ご高覧いただければ幸いです。」三浦康太郎
皆様のお越しをお待ちしております。よろしくお願いいたします。
三浦 康太郎
1986年生まれ
銅版画、テンペラを主に制作。
レンブラントの緻密なエッチングに魅せられて銅版画を始める。摺り師の白井四子男氏に師事。
刹那、永遠、天体、神話、錬金術、古等の世界観をモチーフに、中世イタリア*より伝わる古典技法の卵黄テンペラ**と銅版画で作品を制作しています。
*中世イタリア・・・14世紀中頃~15世紀のイタリアで古代ギリシア・ローマの学問・知識の復興を目指す文化運動が興り、やがてヨーロッパ各国に波及した。この時期をルネッサンス(復興)といい、ボッティチェッリ、フラ・アンジェリコはよく知られいる。
**卵黄テンペラ・・・11世紀より西洋の絵画で広く行われてきた技法で、板上に石膏で設えた素地に、顔料を卵と酢の混合液に溶いて彩色する。
アーティストステートメント
中世イタリアより伝わる古典技法「卵黄テンペラ」と「銅版画」により作品を制作しています。
刹那、永遠、天体、神話、錬金術、古等の世界観をテーマとしています。
テンペラ画や銅版画は一枚の作品を完成させるのに大きな労力と時間を必要とします。
それは素材に語りかけ、紙や板の上に絵具を重ねながらも、意識は深く深く潜っていくような自己を見つめる作業です。
目まぐるしく移り変わり物が溢れる世の中にあって、時間の掛かる手仕事やその魅力に触れ、それこそが今の時代に必要だと感じています。
遥か昔の人々が大切に紡いできた尊さ。それは素材や題材、技法が教えてくれる大切な心でもあります。
デジタルやAIの世界がどんなに発展したとしても、その心と膨大な時間を積み上げ得てきた技術は人を人たらしめる最後の聖域です。
本展では、主に星や天体、星座といった世界を表現しています。
星の時間は、人間の時間軸では想像もつかない程長く、その光は地球に届くまでに100億年掛かるものもあります。
「今」生まれた光は未だ見ぬ景色であり、そんな星空への思いを銅板に刻みました。
いつも星空は創造の源であり、無限の物語への入り口です。
三浦 康太郎
このたび msb gallery では、フランス人美術作家ジェイムス・コワニャール(1925-2008) の版画よりカーボランダムエッチングの作品を中心に版画展を開催いたします。
アルファベットや刻みこまれた印、シンボルで表現された個性的な抽象世界をこの機会にぜひご高覧ください。
*カーボランダム
1960年代にアメリカで生まれ、特にミロ、クラーベ、タピエスなどスペインの作家が多用した版画技法の一つ。カーボランダム(炭化ケイ素)という、サンドペーパーの研磨剤として用いられている非常に硬い粉を接着剤に混ぜたり振り掛けて銅版に固着させるため、筆触が銅版の上で立体的に残り、その形が刷りとられる。粒子の細かさにより明暗が変化する。作家は指で描写することが多い。
ジェイムス・コワニャール(1925-2008)
1925年、 フランスのトゥール生まれ。
南仏ニースの私立美術学校(レコール・デザール・デコラティフ)で学び、油彩画や彫刻、カーボランダム*を用いたエッチング(銅版画)技法により作品を制作。
アメリカ西部やメキシコへの長旅やアルタミラやラスコーの古代洞窟に刺激を受け、アルファベットや刻みこまれた印、シンボルを通じて象徴の形而学を探索し、個性的な抽象世界を表現しました。
「絵画は美しいものでなければならず、触れるに従順で快く、眺めるに豊かでなければならない」を信条とし、南フランスのアンティーブを拠点に活動しました。
世界各地で個展を開催し、パリ国立図書館をはじめ、ダブリン美術館、グッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館、大英博物館、南アフリカ国立美術館、ルクセンブルク国立歴史美術博物館など、世界の主要美術館に収蔵されています。