このたび msb gallery では、merinoの個展『merino exhibition』を開催いたします。

merinoは、横浜を拠点に活動し、古典技法のひとつである卵黄テンペラ* の技法を用いて制作しています。そのなかでも特にイタリアルネッサンス期**の技法を用いて、支持体である石膏下地から制作し、仮想の村とそこに暮らす人物を中心に描き続けています。

本展では、『村』のシリーズより、村人から「あの山」と呼ばれ近寄ることのない神秘の山と森の話を展開した作品を発表いたします。

 

2011年1月より10年間、横浜黄金町の長期アーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加。 

テンペラ画作品の制作活動の傍ら、本やCDのカバーなどに多数作品提供をしています。

 

 

*卵黄テンペラ・・・11世紀より西洋の絵画で広く行われてきた技法で、板上に石膏で設えた素地に、顔料を卵と酢の混合液に溶いて彩色する。

**イタリアルネッサンス期・・・14世紀中頃~15世紀のイタリアで古代ギリシア・ローマの学問・知識の復興を目指す文化運動が興り、やがてヨーロッパ各国に波及した。この時期の有名な作品はボッティチェッリ「ビーナスの誕生」、「プリマヴェーラ」など。

 

 

【受賞歴】

1997    第1回 新生展入選, 新生堂, 東京

       第1回 ARTBOX洋画新人賞 大賞受賞, ART BOX ギャラリー, 東京

 

 

【展覧会歴】

2022    2人展「alma」コトリ花店, 東京

          「五月の回廊展」ベルンアートギャラリー, 大阪

          「小さな作品の表現展」ベルンアートギャラリー, 大阪

2021  「横浜あの街を歩く」横浜桜木町ワシントンホテルエントランスロビー展示, 横浜

2020    黄金町バザール2020, 八番館, 横浜

2019  「merino個展」Site-Aギャラリー, 横浜

 

 

 

【作品提供】

表紙画「時間」エヴァ・ホフマン著, みすず書房

表紙画  ハリーポッター「ふくろう通信VOL.3カバー」スピカ

装丁・表紙画 「宇宙の渚で生きるということ」海象社

表紙画「ガストンとルシア」ロジェ・ファリゴ著, 小学館 

等 その他装丁・挿画多数 

 

社名ロゴ制作 UFO研究家・矢追純一代表、株式会社「ORANGE SHIP」

ロゴ制作 アコースティック トリオバンド「オオフジツボ」

ロゴ制作 アコースティック アンサンブル「ハンドリオン」

 


 

 

 

このたび msb gallery では、ベルナデット・ヘルマースの個展『Once upon a time』を開催いたします。

ベルナデットは、オランダ、アムステルフェーンを拠点に活動し、時間をかけて収集した古紙や古本、古の素材をコラージュの技法を用いて制作しています。

 

「わたしたちの身の回りの些細なこと。庭や田舎の戸外の自然、本を読んだり、音楽を聴いたりするなかで出会う小さな幸せ。そんな素敵な瞬間を捉えて作品に表現しています。

作品を通して、日本の皆様が喜びとインスピレーションを得られますよう…   」    Bernadette Helmers

 

 

 


 

 

このたび msb gallery では、光藤雄介の個展「行間」を開催いたします。
光藤の作品は、一般的なペンと定規を用いて紙に線を引く反復作業により成り立っています。これにより、光藤の線は記憶とその風化から逃れて、鮮やかに画面に定着します。

本展で発表される新作群では、これまでの染料インクを使った染みの技法に限らず、顔料インクを使用することで、自分の意識の外側にある、鮮やかな線を引くことに挑戦しています。
コントロールとアンコントロールの相互補完からなる、光藤の新しい線の光景を、この機会にぜひご高覧ください。

 

  

 

光藤雄介 プロフィール

 

1982 大阪府生まれ

2008 多摩美術大学美術学部芸術学科 卒業

 

個展

2014 「Slow Rush」LOOP HOLE/東京

2016 「Transparency」switch point/東京

2020 「針の瞬き」TS4312/東京

2022 「感電」SHINBI GALLERY/東京

 

グループ展

2011 「千代田芸術祭2011 3331アンデパンダン」アーツ千代田3331/東京

2012 「第7回大黒屋現代アート公募展」板室温泉大黒屋/栃木

             「第7回新池袋モンパルナス 西口まちかど回遊美術館」岡三証券 池袋支店/東京

2013 「ワンダーシード2013」トーキョーワンダーサイト本郷/東京

2014 「FUCHU OF MADNESS ―無名祭祀書―」LOOP HOLE/東京

2015 「第10回大黒屋現代アート公募展」板室温泉大黒屋/栃木

    「ループホール10周年記念展 The first decade of LOOP HOLE」府中グリーンプラザ・LOOP HOLE/東京

2016 「AFAF AWARDS 2016」福岡アジア美術館 交流ギャラリー/福岡

              「一枚の絵の力 vol.5」TS4312/東京

            「SOME THINKS:平らであるよりも 波打っていたいのか」アートラボはしもと/神奈川

2017 「ちからの交換」LOOP HOLE/東京

2018 「約束のフォルム」アキバタマビ21・3331 ART FAIR/東京

            「SOMETHINKS: 169.8cm」アートラボはしもと/神奈川

2019 「終わらない始まり」アキバタマビ21/東京

            「産業」ライズギャラリー/東京

2020 「Face UpGallery 711/東京

 

アーティストステートメント

         

少年の頃、サビキ釣りで100匹余りの鯖を釣りました。同じ形をした疑似餌に、同じ形の魚達が次々と食いついてくるのです。彼らは皆一様に「鯖」でありながら、少し目が大きかったり、少し体が長かったり、それは豊かな個体差を私に魅せてくれました。

ところで私の制作は特別なものではありません。私は単に譜面をつくっているだけなのです。紙の上にペンを立て、その譜面を何度も繰り返し演奏しているだけなのです。同じ紙でも大きさが違います。大きさが同じでも個体差が生まれます。

わたしにも/あなたにも、明日起きてから行く場所があり、やりたい事があるでしょう。それが特別な事でなくとも、面白くなくとも、意味すらなくとも、肯定して良いのです。そこには必ず個体差があるからです。

まずは実践しておみせします。

 

光藤雄介

 

 

 

 

撮影:佐々木康太