このたび msb gallery では、PAPER BRUTの個展「I am here」を開催いたします。

 

PAPER BRUTは新潟を拠点に身の回りの植物や樹皮から紙や造形物を作りだし、その作品の幅は広く、原料となる植物の栽培からデザインまでを手掛けています。

 

PAPER “BRUT”はフランス語で 「生(き)のままの」紙を意味し、伝統的な技法からのオマージュ、植物の特性を生かした造形を生み出しています。

 

本展では、近年新たな試みとして取り組んでいる、植物から色を抽出した顔料を用いて描いた作品群を展示いたします。

彼らの作品を通して、植物のチカラを感じて対話をお楽しみいただければ嬉しく思います。

 

 

 

制作について

何気ない日々の営みの記憶と、自ら育てた楮との時間を重ねることから始まる。

ダイアリーのように編まれた作品は、身近な対象にひそむはかなさや美しさを捉え、日常の価値を静かにひらいていく。

さらに植物から色を抽出する行為へと発展する。この変化は、世界を描く対象として扱う段階から、素材の生成過程に身体が関与する段階への移行を示している。

光や湿度、匂いといった環境の変化に応答する身体の動きとともに進み、自然のリズムと緩やかに同調していく。この反応は、虫が花に向かい、植物が光へ伸びる自然の動きと同質のものである。

こうした身体反応は、作家の身体図式に世界のリズムが書き込まれていることを示す。

そこから生まれる紙や色彩は、世界と身体が交差する瞬間の痕跡であり、作品は両者の境界がほどける場として立ち現れる。

 

PAPER BRUT